はじめに:Webサイトがあるのに、なぜ問い合わせが来ないのか

私のサイトも最初はそうだった。会社案内としてはきちんと作ったつもり。でも問い合わせフォームへの入力はゼロ。原因はシンプルで、訪問者に「何をしてほしいか」が明確になっていなかったのだ。

LP(ランディングページ)は、この問題を解決するためのページだ。通常のWebサイトが「会社の総合パンフレット」なら、LPは「ひとつの商品に絞ったセールスレター」。限られた広告予算やSNS集客の受け皿として、アクセスを問い合わせに変換する。せっかく集めたアクセスをそのまま帰してしまっているなら、LPを1枚作るだけで状況が変わる。


LPの基本構成:5つのセクション

問い合わせに繋がるLPには、共通する構成パターンがあります。以下の5つのセクションを上から順に配置するのが基本です。

セクション1:ファーストビュー

ページを開いた瞬間に目に入る領域です。訪問者は3秒以内に「自分に関係があるページかどうか」を判断します。ここで離脱されると、残りのコンテンツは一切読まれません。

ファーストビューに必要な要素:

  • キャッチコピー -- 「誰の」「どんな悩みを」「どう解決するか」が一目でわかる一文
  • サブコピー -- キャッチコピーを補足する1〜2行の説明
  • メインビジュアル -- サービスのイメージが伝わる写真やイラスト
  • CTAボタン -- 「無料で相談する」「資料をダウンロードする」など

悪い例: 「私たちのサービスについて」

良い例: 「確定申告の不安を解消。税理士が一人社長の経理を月3万円からサポート」

セクション2:悩みの共感

訪問者が抱えている問題を具体的に言語化するセクションです。「そうそう、まさにこれが困っていた」と感じてもらうことで、続きを読む動機を作ります。

書き方のポイント:

  • 箇条書きで3〜5つの悩みを列挙する
  • 訪問者自身の言葉で書く(専門用語は避ける)
  • 感情に寄り添う表現を使う

例:

  • 毎月の経理作業に半日以上取られている
  • 確定申告の時期になると不安で仕事に集中できない
  • 税金のことを相談できる相手が周りにいない

セクション3:解決策の提示

あなたのサービスが、セクション2で挙げた悩みをどう解決するかを説明します。

書き方のポイント:

  • 機能(スペック)ではなく、ベネフィット(利点)で伝える
  • 「何ができるか」ではなく「使うとどうなるか」を中心に書く
  • 数字を入れて具体性を持たせる

悪い例: 「クラウド会計ソフトとの連携に対応しています」

良い例: 「freeeと連携し、毎月の経理作業を平均2時間に短縮。空いた時間を本業に使えます」

セクション4:信頼の証明

初めて訪れた人にとって、あなたのサービスが本当に信頼できるかどうかは大きな不安要素です。第三者の評価や実績で信頼を裏付けます。

効果的な信頼要素:

  • お客様の声 -- 具体的な成果が伝わる感想(「問い合わせ数が月3件から15件に増えた」など)
  • 実績の数字 -- 支援件数、継続率、満足度
  • メディア掲載 -- 取材記事や寄稿実績
  • 資格・認定 -- 保有資格、加盟団体
  • 顔写真とプロフィール -- 誰がサービスを提供しているかを明示する

セクション5:CTA(行動喚起)

訪問者に取ってほしい行動を、明確に示すセクションです。LPの最終目的はここに集約されます。

CTAの設計ポイント:

  • ボタンのラベルは具体的にする(「送信」ではなく「無料相談を予約する」)
  • ボタンの色はページ内で目立つ色にする
  • フォームの入力項目は最小限にする(名前、メールアドレス、相談内容の3項目で十分)
  • CTAはページ内に複数箇所設置する(ファーストビュー、中盤、最下部)

LPで使えるツール比較

専門知識がなくても、ノーコードツールを使えば自分でLPを作成できます。

ツール 月額費用(税込目安) 特徴 おすすめの人
ペライチ 無料〜3,278円 国産で操作が簡単。テンプレートが豊富 とにかく早く公開したい方
STUDIO 無料〜2,480円 デザイン自由度が高い。レスポンシブ対応が強い こだわりのデザインを作りたい方
Canva 無料〜1,500円 Webサイト機能でLPも作成可能。画像編集も一括で対応 デザイン素材も自分で作りたい方
Wix 無料〜2,659円 多機能で拡張性が高い。CRM連携も可能 将来的にサイト全体を構築したい方
WordPress + Elementor サーバー代のみ カスタマイズ性は最高。ただし学習コストが高い ある程度のWeb知識がある方

ツール選定のポイント:

  • 「月額費用」だけでなく「修正のしやすさ」を重視する
  • LPは公開後に何度も改善するため、自分で編集できることが重要
  • 無料プランから始めて、効果が出たら有料プランに移行する

よくある失敗パターン

LPを作ったのに成果が出ない場合、以下のパターンに当てはまっていることが多いです。

失敗1:情報を詰め込みすぎる

サービスの全機能を1ページに詰め込むと、訪問者は「結局何が売りなのか」がわかりません。LPは1つのサービス、1つのターゲット、1つのCTAに絞るのが鉄則です。

失敗2:ファーストビューが弱い

キャッチコピーが抽象的だと、3秒で離脱されます。「高品質なサービスを提供します」では何も伝わりません。「誰の」「何を」「どう解決するか」を明確に書いてください。

失敗3:CTAが見つからない

問い合わせボタンがページの最下部にしかない場合、途中で「問い合わせたい」と思った訪問者を逃します。CTAはファーストビュー、中盤、最下部の最低3か所に設置してください。

失敗4:スマートフォンで見づらい

現在、Webサイトへのアクセスの70%以上がスマートフォンからです。パソコンで作成したLPをスマートフォンで確認せずに公開すると、文字が小さすぎたりボタンが押しにくかったりして、離脱率が大幅に上がります。

失敗5:作って放置する

LPは「公開して終わり」ではありません。アクセス解析でデータを見ながら、キャッチコピーやCTAの位置を改善し続ける必要があります。GA4の活用法については「GA4でコンバージョンを改善する方法」を参考にしてください。


LP公開前のチェックリスト

LP公開前に以下の項目を確認してください。

コンテンツのチェック:

  • ファーストビューで「誰の」「何を」「どう解決するか」が伝わるか
  • 悩みの共感セクションで、ターゲットの言葉を使っているか
  • ベネフィット(使うとどうなるか)を具体的に書いているか
  • 信頼要素(お客様の声、実績)が含まれているか
  • CTAボタンが3か所以上に設置されているか

技術的なチェック:

  • スマートフォンで正しく表示されるか
  • ページの表示速度は3秒以内か
  • フォームが正常に動作するか(テスト送信を実施)
  • OGP画像(SNSでシェアされた際の画像)が設定されているか
  • Google Analytics(GA4)のタグが設置されているか

改善のためのチェック:

  • 公開後1週間でアクセス数とCVR(コンバージョン率)を確認する予定があるか
  • A/Bテスト(キャッチコピーやボタン色の比較テスト)の計画があるか

LP改善の進め方

LPは公開してからが本当のスタートです。データに基づいた改善を繰り返すことで、CVR(コンバージョン率)を段階的に上げていきます。

ステップ1:データを見る

GA4でページのアクセス数、直帰率、コンバージョン数を確認します。まずは「どこでユーザーが離脱しているか」を把握することが出発点です。

ステップ2:ヒートマップを導入する

Microsoft Clarityなどの無料ヒートマップツールを導入すると、ユーザーが「どこまでスクロールしたか」「どこをクリックしたか」を視覚的に確認できます。

ステップ3:小さな改善を繰り返す

改善は一度に大きく変えるのではなく、1か所ずつ変更して効果を測定します。

改善の優先順位:

  1. ファーストビューのキャッチコピー
  2. CTAボタンの文言と配置
  3. フォームの入力項目数
  4. お客様の声の追加

AIを活用したLPのコピーライティングについては「AIを活用したLPコピーライティング」で詳しく解説しています。


よくある質問

Q. LP制作の費用はどのくらいかかりますか?

自分でノーコードツールを使って作る場合、月額0〜3,000円程度で運用できます。制作会社に依頼する場合は、1ページあたり10万円〜50万円が相場です。一人社長はまず自分で作り、効果が確認できてからプロに依頼してリニューアルするのが費用対効果の高い進め方です。

Q. LPとホームページは別に必要ですか?

はい、役割が異なるため別に用意することをおすすめします。ホームページは「会社の全体像を伝える」場所であり、LPは「特定のサービスへの問い合わせを獲得する」ための専用ページです。広告やSNSからの誘導先としてLPを用意し、LPからホームページへの導線も設けるのが理想的です。Web問い合わせの増やし方は「フリーランスのWeb問い合わせ獲得術」も参考にしてください。

Q. LPに載せる「お客様の声」がまだありません。どうすればよいですか?

まずは既存の取引先やモニター利用者に感想を依頼してください。その際、「具体的な成果や変化」を聞き出す質問を用意するのがポイントです。「サービスを利用して、具体的にどんな変化がありましたか?」と聞くと、数字を含んだ説得力のある声が集まりやすくなります。感想が集まるまでは、「相談件数」「対応実績」など自社の数字を代わりに掲載してください。

Q. LPのCVR(コンバージョン率)の目安はどのくらいですか?

業種やサービスの価格帯によって大きく異なりますが、一般的なBtoBサービスのLPでCVR 1〜3%が平均的な水準です。無料相談や資料ダウンロードのような低ハードルのCTAであれば5%以上を目指せます。まずは自社のCVRを測定し、そこから改善を積み重ねていくことが重要です。

Q. LPは1つだけ作ればよいですか?

提供しているサービスが複数あったり、ターゲット層が異なる場合は、それぞれに専用のLPを作ることをおすすめします。「税務相談向けLP」「会社設立向けLP」のように分けることで、訪問者にとってのメッセージの一貫性が高まり、CVRが向上します。


まとめ:まず1ページ作って公開する

LP制作で最も大切なのは「完璧を目指さず、まず公開すること」です。公開前にどれだけ考えても、実際にユーザーの反応を見なければ正解はわかりません。

ペライチやSTUDIOなどのノーコードツールを使えば、1日でLPを公開することも可能です。まずは5つの基本セクション(ファーストビュー、悩みの共感、解決策、信頼の証明、CTA)を押さえた1ページを作り、公開してからデータを見ながら改善していく。この「作って、測って、直す」サイクルを回すことが、問い合わせが来るLPへの最短ルートです。