freee、マネーフォワード、弥生。結局どれを選べばいいのか

「freeeが人気らしい」「税理士にマネーフォワードを勧められた」「弥生は老舗で安心」——周りに聞けば聞くほど迷う。3社それぞれにファンがいて、ネットのレビューも評価が割れている。

結論から言うと、「万人に最適な1社」は存在しない。簿記の知識があるかないか、法人か個人事業主か、税理士と連携するかしないかで、ベストな選択が変わる。まず結論の比較表を見て、自分に合いそうなソフトに見当をつけてから、各項目の詳細を読み進めてほしい。

個人事業主向けプラン比較表(2026年最新)

個人事業主・フリーランス向けの主要プランを比較します。価格はすべて税抜・年額払い時の金額です。

比較項目 freee マネーフォワード 弥生
最安プラン名 スターター パーソナルミニ セルフプラン
最安プラン料金(年額) 11,760円 10,800円 11,800円
標準プラン名 スタンダード パーソナル ベーシックプラン
標準プラン料金(年額) 23,760円 15,360円 22,800円
上位プラン名 プレミアム パーソナルプラス トータルプラン
上位プラン料金(年額) 39,800円 35,760円 39,600円
月額払い(最安) 1,780円/月 1,280円/月 年額払いのみ
消費税申告 スタンダード以上 パーソナル以上 全プラン対応
インボイス対応 全プラン対応 全プラン対応 全プラン対応
電子帳簿保存法対応 全プラン対応 全プラン対応 全プラン対応
電話サポート プレミアムのみ パーソナルプラスのみ ベーシック以上
チャット/メールサポート 全プラン 全プラン ベーシック以上
無料トライアル 30日間 1ヶ月間 1年間(セルフ/ベーシック)
スマホアプリ iOS/Android iOS/Android iOS/Android
銀行・カード連携 3,200件以上 2,400件以上 主要金融機関対応
e-Tax連携 対応 対応 対応

※料金は2026年5月時点の情報です。最新の価格は各社公式サイトでご確認ください。

個人事業主向けプランの選び方ポイント

  • コスト最優先なら:マネーフォワード パーソナルミニ(年額10,800円)が最安
  • 消費税申告も必要なら:マネーフォワード パーソナル(年額15,360円)がコスパ良好
  • 初めて試すなら:弥生のセルフプラン/ベーシックプラン(初年度無料キャンペーンあり)
  • スマホ中心で使いたいなら:freee(モバイルアプリの操作性が高い)
  • 電話サポートが必要なら:弥生ベーシックプラン(年額22,800円で電話対応あり)

法人向けプラン比較表(2026年最新)

一人法人・小規模法人向けのプランを比較します。価格はすべて税抜・年額払い時の月額換算金額です。

比較項目 freee マネーフォワード 弥生
一人法人向けプラン ひとり法人 ひとり法人プラン -
料金(年額払い/月換算) 2,980円/月 2,480円/月 -
小規模向けプラン スターター スモールビジネス エントリープラン
料金(年額払い) 5,480円/月 +従量 4,480円/月 34,800円/年
標準プラン スタンダード ビジネス ベーシックプラン
料金(年額払い) 8,980円/月 +従量 6,480円/月 50,400円/年
消費税申告 全プラン対応 全プラン対応 全プラン対応
インボイス対応 全プラン対応 全プラン対応 全プラン対応
電子帳簿保存法対応 全プラン対応 全プラン対応 全プラン対応
請求書機能 連携可能 セットで利用可 別途契約
給与計算 連携可能 セットで利用可 別途契約
経費精算 連携可能 セットで利用可 別途契約

※freeeの法人プランは2024年7月に新体系へ移行。スターター以上のプランには利用量に応じた従量課金が発生します。 ※弥生は「弥生会計 Next」へ名称変更。2026年1月より料金改定が実施されています。

法人プランの選び方ポイント

  • 一人法人(従業員なし)なら:マネーフォワード ひとり法人プラン(月額2,480円〜)が最安
  • バックオフィスを一括管理したいなら:マネーフォワード(会計・請求書・給与がセット)
  • 従量課金を避けたいなら:マネーフォワードまたは弥生(固定料金制)
  • UIの使いやすさ重視なら:freee(簿記知識不要で操作可能)

3社の特徴を深掘り比較

freee会計の特徴

強み:

  • 簿記の知識がなくても使える直感的なUI
  • スマホアプリの操作性が3社中トップクラス
  • レシート撮影から自動仕訳まで一気通貫
  • 開業届の作成機能(freee開業)を無料提供
  • 確定申告の質問回答形式のナビゲーションが充実

注意点:

  • スタータープランでは消費税申告ができない
  • 法人向けの新プランでは従量課金が発生する場合がある
  • 独自の仕訳入力画面は、他ソフトからの乗り換え時に慣れが必要

向いている人:

  • 経理や簿記の経験がまったくない方
  • スマホで隙間時間に記帳したい方
  • 確定申告を自力で完結させたい方

マネーフォワード クラウド会計の特徴

強み:

  • 会計・請求書・給与・経費精算・勤怠など周辺サービスが充実
  • すべてのサービスを1つの契約で利用可能(法人プラン)
  • 仕訳入力画面が一般的な会計ソフトに近く、税理士との連携がスムーズ
  • 個人事業主向けの料金が比較的リーズナブル
  • AI仕訳の学習精度が高い

注意点:

  • パーソナルミニプランは機能制限が多い(消費税申告非対応など)
  • UIがやや「会計ソフト寄り」で、簿記の基礎知識があったほうが使いやすい
  • 2025年6月に法人向け料金の改定あり

向いている人:

  • バックオフィス業務を一元管理したい法人
  • 顧問税理士がいる方(連携のしやすさ)
  • 簿記3級程度の知識がある方

弥生シリーズの特徴

強み:

  • 業界最大手、登録ユーザー数350万人以上の実績
  • 全プランでインボイス・電子帳簿保存法・消費税申告に対応
  • 電話サポートがベーシックプランから利用可能(他社は上位プランのみ)
  • 初年度無料キャンペーンを頻繁に実施
  • 「スマート証憑管理」機能が全プランで利用可能

注意点:

  • クラウド版の操作画面は、デスクトップ版とは異なる
  • 法人向けは「弥生会計 Next」に名称変更、プラン体系が一新されている
  • 周辺サービス(給与計算・請求書)は別契約が必要
  • セルフプランは有人サポートなし

向いている人:

  • 導入コストを最小限にしたい方(初年度無料あり)
  • 電話サポートを重視する方
  • 従来から弥生のデスクトップ版を使っていた方

こんな人にはこれ——タイプ別おすすめ

タイプ1:「経理は苦手。とにかく簡単に確定申告を終わらせたい」フリーランス

おすすめ:freee スタンダードプラン(年額23,760円/税抜)

理由:

  • 質問に答えていくだけで確定申告書類が完成する
  • 銀行口座連携で自動記帳、仕訳の手間が最小限
  • スマホでレシート撮影 → 自動仕訳の流れが便利
  • 消費税申告にも対応

タイプ2:「コストを抑えたい。でも最低限の機能は欲しい」フリーランス

おすすめ:弥生 セルフプラン(年額11,800円/税抜、初年度無料あり)

理由:

  • 初年度無料で試せるのでリスクが低い
  • 消費税申告・インボイス対応・電帳法対応が全プラン標準
  • セルフプランでも製品機能はフル利用可能(サポートなしのみ)

タイプ3:「税理士と一緒に使いたい。将来の法人化も視野に」個人事業主

おすすめ:マネーフォワード パーソナルプラン(年額15,360円/税抜)

理由:

  • 税理士が使い慣れている会計ソフトに近い操作画面
  • 個人 → 法人へのプラン移行がスムーズ
  • 消費税申告に対応、コストパフォーマンスが高い

タイプ4:「一人法人を設立したばかり。月額コストを最小限にしたい」一人社長

おすすめ:マネーフォワード ひとり法人プラン(月額2,480円〜/税抜)

理由:

  • 一人法人に特化したプランで無駄がない
  • 会計・請求書・経費精算・給与がセットで利用可能
  • 従量課金なしの固定料金

タイプ5:「ITツールに不慣れ。電話で質問しながら使いたい」方

おすすめ:弥生 ベーシックプラン(年額22,800円/税抜)

理由:

  • 電話・メール・チャットのサポートが利用可能
  • 他社で電話サポートを受けるにはプレミアム/パーソナルプラスが必要(年額35,760〜39,800円)
  • 弥生なら約半額で電話サポート付き

乗り換え時の注意点

すでにクラウド会計ソフトを使っていて、他社への乗り換えを検討している場合の注意点をまとめます。

データ移行の方法

移行元 → 移行先 移行方法 注意点
freee → マネーフォワード 仕訳データをCSVエクスポート → インポート 勘定科目の対応表を事前に作成
freee → 弥生 仕訳データをCSVエクスポート → インポート freee独自の科目体系に注意
マネーフォワード → freee 仕訳データをCSVエクスポート → インポート freeeの仕訳形式に変換が必要
マネーフォワード → 弥生 仕訳データをCSVエクスポート → インポート 比較的スムーズ
弥生 → freee 弥生形式のデータをインポート freeeに弥生インポート機能あり
弥生 → マネーフォワード 仕訳データをCSVエクスポート → インポート 比較的スムーズ

乗り換えのベストタイミング

  • 個人事業主:1月(会計年度の切り替わり)
  • 法人:決算月の翌月(新事業年度の開始時)
  • 期中の乗り換えは、データの分断やミスの原因になるため避けることを推奨

乗り換え前にやるべきこと

  1. 現在のソフトで未処理の仕訳を完了させる
  2. 勘定科目の対応表を作成する(ソフトごとにデフォルトの科目名が異なる場合がある)
  3. 証憑データのエクスポートまたはバックアップ
  4. 新しいソフトの無料トライアルで操作感を確認する
  5. 税理士がいる場合は事前に相談する

インボイス制度・電子帳簿保存法への対応状況

2026年現在、3社ともインボイス制度と電子帳簿保存法には標準で対応しています。ただし、プランによって使える機能に差があります。

対応機能 freee マネーフォワード 弥生
適格請求書の発行 対応(freee請求書連携) 対応(MF請求書連携) 対応(Misoca連携)
適格請求書の保存・管理 ファイルボックスで対応 証憑管理で対応 スマート証憑管理で対応
消費税の自動計算 スタンダード以上 パーソナル以上 全プラン
2割特例/簡易課税の切替 設定画面から変更可 設定画面から変更可 設定画面から変更可
電子取引データの保存 対応 対応 対応
タイムスタンプ 対応 対応 対応

インボイス制度の2割特例終了に関する詳細は「インボイス制度 2026年10月の変更点まとめ」をご参照ください。

バックオフィス全体のSaaS導入については「一人社長のためのバックオフィスSaaS導入ガイド」もあわせてお読みください。


おすすめサービス

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よくある質問

Q1. 途中でプランを変更できますか?

はい、3社とも月単位または年単位でプランの変更が可能です。まずは最安プランで始めて、必要に応じてアップグレードするのが賢い方法です。ただし、年額払いの途中でのダウングレードは返金対象外となる場合があるため、契約条件を確認してください。

Q2. 税理士がいる場合、どのソフトがいいですか?

税理士によって得意なソフトが異なります。まず顧問税理士に「どのソフトを推奨しますか」と確認するのが最善です。一般的には、マネーフォワードと弥生は従来型の会計ソフトに近いUIのため、税理士との連携がスムーズな傾向があります。freeeも税理士向けのアカウントを提供しており、対応税理士は増えています。

Q3. 3社以外の選択肢はありますか?

勘定奉行クラウド、PCAクラウドなどの選択肢もありますが、一人社長やフリーランスが使うには機能過多でコストも高めです。個人事業主・小規模法人であれば、freee・マネーフォワード・弥生の3社から選ぶのが現実的です。

Q4. 無料で使い続けることはできますか?

3社とも完全無料で使い続けられるプランはありません。ただし、弥生は初年度無料キャンペーンを実施しており、1年間は無料で利用可能です。freeeとマネーフォワードは30日〜1ヶ月間の無料トライアルが利用できます。

Q5. IT導入補助金でクラウド会計ソフトを導入できますか?

IT導入補助金の対象ツールとして、3社のクラウド会計ソフトは登録されています。補助金を活用すれば導入費用の一部が補助されます。詳しくは「一人社長のためのクラウド会計ソフト比較」をご参照ください。

まとめ:迷ったらまず無料トライアルを

3社それぞれに明確な強みがあります。最終的な選択は、自分の事業形態や経理スキル、重視するポイントによって変わります。

重視するポイント おすすめ
使いやすさ・スマホ対応 freee
コストパフォーマンス マネーフォワード
電話サポート 弥生
バックオフィス一元管理 マネーフォワード
初期コストの低さ 弥生(初年度無料)
税理士との連携 マネーフォワード or 弥生

迷ったら、まずは気になるソフトの無料トライアルを利用してください。実際に自分の銀行口座を連携し、数件の仕訳を入力してみるだけでも、使い勝手の違いは明確にわかります。

どのソフトを選んでも、手作業のExcel管理から脱却するだけで、記帳にかかる時間は大幅に短縮できます。大切なのは「完璧なソフトを探し続けること」ではなく、「まず使い始めること」です。